やってしまいがちな「間違い言葉」~面接時や患者さまへの対応時は要注意!~
自分では問題のない丁寧な言葉を話していると思っていても、意外に「間違い言葉」や「間違い敬語」を交えて話してしまっている方は多いものです。社会人として正しい話し言葉マナーを身につけることができれば面接時の印象もよくなり、入職後患者さまに対応する時も更に丁寧な印象を与えられます。
今回は、やってしまいがちな「間違い言葉」を紹介しながら正しい言葉遣いをお伝えしていきます。
敬語の基本
まずは、敬語の基本を押さえましょう。自分がどの立場でどう発言するかによって、使う用語も変わってきます。
丁寧語
丁寧語とは、相手に対して丁寧に表現する言葉遣いのことを指します。「言う」という単語を「言います」「話します」と表現するのは、丁寧語です。
尊敬語
尊敬語とは、相手の立場を上げて話すことで敬意を示す言葉遣いのことを指します。「言う」という単語を「おっしゃる」「話される」と表現するのは、尊敬語です。
謙譲語
謙譲語とは、自分の立場をへりくだって話すことで間接的に相手への敬意を示す言葉遣いのことを指します。「言う」という単語を「申し上げる」「お伝えする」と表現するのは、謙譲語です。
使ってしまいがちな「間違い言葉」
では実際に、歯科衛生士として働く上でつい使ってしまいがちな間違い言葉をいくつかピックアップしてみましょう。
見させていただく/見せてもらう
相手から書類や診察券を見せてもらう時に言ってしまいそうな言葉です。チェックする自分側の立場を下げ、「拝見する」「お預かりする」とするのが正しい表現なので、注意しましょう。
また、「お預かりさせていただきますね」という表現も、回りくどく分かりづらいと思わせてしまうかもしれません。「お預かりします」「拝見します」というように、一言で完結に伝えるのがよいでしょう。
了解です
何か指示をされたとき、「わかりました」と答えるより丁寧だと思って使ってしまいそうな言葉ですが、尊敬語ではありません。フランクに聞こえてしまうので、特に目上の立場にある人や患者さまに対して使うのは避けておきましょう。
「承知しました」「承りました」と伝えるのが最適で、もう少しフランクに崩す場合でも「かしこまりました」までに留めます。
ごめんなさい/すみません
何かミスをしてしまったり気が回らなかったりした時に出てしまいそうな言葉です。「申し訳ありません」「申し訳ございません」と伝えるようにしましょう。
同僚同士であれば「すみません」で事足りる場合もありますが、患者さまや目上の方、院外の取引先には使わないようにします。
お召し上がりになられないでください
歯科医院では、治療後数時間水や食べ物を口にしてほしくないシーンが発生します。治療後の食事について伝える際に言ってしまいそうな言葉なので、特に注意しましょう。
「お召し上がりになられないでください」では、丁寧語の「お」に尊敬語の「召し上がる」をつけ、更に「なられる」をつけることで三重敬語になってしまいます。
「召し上がるのは控えて下さい」と伝えるようにしましょう。
よろしかったですか?
治療法や預かり品を最終確認する際、「~でよろしかったですか」という言葉を使ってしまうことがあります。「1,000円のお預かりでよろしかったですか」と、会計のシーンで言ってしまうこともあるでしょう。
「よろしいですか」と聞くだけで伝わりますので、あえて過去形にしなくても問題ありません。
まとめ
言葉遣いや敬語は、長年の癖で「つい」口をついて出てしまうものです。一朝一夕で修正するのが難しいからこそ、日々なるべく自分の口癖に気を配り、ただしい敬語を使えているか確認するように心がけましょう。
美しい日本語で対応できれば、同僚からも患者さまからも信頼される歯科衛生士として成長できそうです。